暗記力を高める方法は? ポイントを押さえて記憶を定着させよう

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2022年5月30日 勉強法
受験では、どれだけのことを覚えられたか、つまり暗記力がモノを言います。もう少しかみ砕くと「記憶として定着させたものを引き出す力」です。例えば英単語なら、ひとつでも多く覚えているほうが有利なことは間違いありません。そうは言っても、暗記が苦手という人もいるはず。しかし、大丈夫です。ポイントを押さえて取り組めば、暗記力を高めることは可能です。この記事では、その方法をお伝えします。

暗記力を高めるうえで「短期記憶」と「長期記憶」を知っておこう

暗記力を効果的に高めるためにも、まずは記憶の仕組みについて知っておきましょう。ご存知の方もいるかと思いますが、記憶には「短期記憶」と「長期記憶」があります。それぞれについて簡単に説明すると次の通りです。

 

わたしたちが初めて得た情報は、脳の「海馬」に保存されます。しかし、海馬はそれほど容量が多くありません。新しい情報を受け入れるために、保存しておく必要がないと判断した情報は、順次、消去されていきます。つまり、記憶が短期間しか残らないということ。これが「短期記憶」です

 

一方、海馬が「これは必要な情報だから消去してはならない」と判断するものもあります。例を挙げると、命の存続に関わる情報や繰り返し海馬に送られてくる情報など。そういった情報は消去されることなく大脳皮質という部位に転送され、記憶として定着します。これが「長期記憶」です。

 

一夜漬けの勉強で翌日の試験をしのぐなら、短期記憶で対処できることもあるかもしれません。しかし、受験では数科目3年分の勉強が必要であり、どれだけ長期記憶を残せるかがカギになります。暗記力を高めるためにも、ぜひこのことを念頭に置いておきましょう。

暗記力を高める方法

それでは具体的に暗記力を高める方法を見ていきましょう。

見るだけでなく手を動かして覚える

何かを覚えようとするとき、まずは単語帳や参考書を目で追います。そのとき、一緒に手を動かして書くようにすると、記憶として定着しやすくなります。例えば自転車は、いったん乗り方を覚えてしまえば、忘れることはありません。昨日までは乗れたけど今日は乗り方を忘れたということは基本的にはありません。勉強にも同じことがいえます。

暗記したことを人に説明する

覚えたことを誰かに説明すると、記憶の定着につながります。言葉にすることで、覚えたことが整理されるからです。人に説明をすると、覚えたはずなのにうろ覚えな部分があり上手に説明できなかった、などというように、自分の記憶の状況を把握することもできます。大切なのは、状況を把握したあと、記憶の定着に取り組むこと。説明するだけで終わらせず、もう一度暗記に取り組んで、記憶として定着させていきましょう。

生活習慣を見直す

暗記力を高めるためには、生活習慣を見直してみることも大切です。

早寝早起きはできていますか? 記憶は寝ている間に頭の中で整理され、定着します。また、脳が休息を取るのも睡眠中です。睡眠時間は、記憶を司る脳にとって必要不可欠です。寝不足が続くなど、睡眠のリズムが崩れると、記憶力にも影響が出てしまいます。

 

食生活も振り返ってみましょう。脳をはじめ体が働くためには、バランスの取れた食事が欠かせません。中でも脳にとって必要なエネルギーとなるブドウ糖のほか、魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)、豚肉に含有量の多いビタミンB1、ダイズに含まれるレシチンなどの栄養素も、記憶力の向上に欠かせません。日々の食事では、こういった食材を組み合わせることを意識してみてください。

脳の疲れを取るためには、30分程度の昼寝も効果があるといわれています。昼寝を勉強のスケジュールに組み込んでみることも方法のひとつです。このとき気をつけたいのは、横にならないことです。深く寝入ってしまいます。机に座ったままうつぶせになる程度にとどめておきましょう。

 

また、座りっぱなしで勉強していると血行が悪くなり、そうすると脳の働きも低下してしまいます。ストレッチのような軽い運動の時間を取ることも、暗記力を高めるためには有効です。

繰り返し覚える

繰り返し覚えることは、暗記力を高めるためには欠かせません。

研究によると、人は覚えたつもりのことも、1日経つと70%は忘れてしまうそうです。しかし、何度も繰り返して勉強して海馬が「必要な情報」と認識すれば、長期記憶として定着します。暗記できたということです。

暗記力を高めることが効果的な科目

受験勉強ではさまざまな科目の学習を行いますが、特に次の科目は暗記力を高めておくと効果的かもしれません。

英語の英単語やイディオム

筆頭は、英語の英単語やイディオムです。

英語は、ほとんどの学部で課せられる科目であり、長文読解はどれだけ単語や熟語、慣用句を暗記しているかにかかっていると言っても過言ではありません。目で見るだけでなく、手で書き、声に出して記憶を定着させましょう。

古文の活用形

古文の活用形も独特のスタイルがあります。しかし、活用形はパターンを覚えれば応用がきくもの。そのためにも暗記してしまうのが得策です。

数学の公式

古文の活用形と同じで、数学の公式も覚えてしまえば、あとは問題文に合わせて数字を当てはめるだけ。そういった意味では、とても便利なものです。繰り返して覚えて、長期記憶に定着させてしまいましょう。

受験に向けて暗記力を高めたいという人、その方法が知りたいという人は、ぜひお伝えした内容を参考にしてみてください。勉強方法だけでなく、毎日の生活習慣を見直し、暗記力が高まるように心がけることもポイントです。効果が実感できると、やる気も増してきます。頑張っていきましょう。

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