大学受験で志望校選びの指標となる偏差値。
模試の結果でも、点数と合わせて偏差値も気になるのではないでしょうか。上がれば嬉しいし、下がるとちょっとショックです。
ところで、そもそも偏差値とは何を意味する数値なのか知っていますか?
この記事では、偏差値50はどのくらいのレベルなのかについて説明しながら、偏差値の意味や計算方法についてお伝えします。
そもそも偏差値とは?
模試の結果や大学のランキングには、当たり前のように「偏差値」という言葉が使われていますが、そもそも偏差値とは何なのでしょうか。
この機会に偏差値について、しっかり把握しておきましょう。
偏差値は、試験で獲得した点数が平均点と比べたときどのあたりに位置するかを示す数値です。自分の実力を客観的に把握できる数値であり、それが大学のレベルを表す数値としても使われています。ここでは「自分の実力」という観点で話を進めていくことにしましょう。
例えば、英語のテストで100点満点中80点を取ったとします。点数だけを見るなら、かなり好成績に思えます。しかし、内容がやさしくほかの人も高い得点を獲得していたとするとどうなるでしょうか。平均点が85点ということもあるかもしれません。そうなると、80点を取ったにもかかわらず、平均点よりも下の成績ということになってしまいます。
一方、テストがとても難しく平均点が65点だったとしたらどうなるでしょうか。
平均点65点で80点なら、かなりいい点数を取ったと判断できます。
つまり、取った点数だけでは、自分の実力を客観的に判断することができないということです。
そこで、全体における自分の位置や実力を知る指標として偏差値が考え出されました。
偏差値では、平均点が偏差値50になります。
偏差値が50より高ければ平均点以上に位置している、50より低ければ平均点以下に位置しているということです。
先ほど例に出した英語のテストでいえば、点数は同じ80点でも平均点が85点なら偏差値は50より下、平均点が65点なら偏差値は50より上の数値になります。
偏差値の求め方・計算方法
ところで、私たちが模試を受けたときに出される偏差値は、どのようにして算出されているのでしょうか。偏差値の算出には、次の計算式が用いられています。
偏差値=(自分の得点-平均点)÷標準偏差×10+50
この式を見たときに、自分の得点と平均点はわかるとして、よくわからないのが「標準偏差」ではないでしょうか。
標準偏差とは、テストを受けた集団における得点のばらつき具合を示す数値です。
多くの人が同じくらいの点数をとっていればばらつきは小さくなりますし、高得点から低得点まで点数が広く分布している場合は、ばらつきが大きくなります。
つまり、標準偏差は受けたテストや科目によって常に数値が変わるということ。
同じテストを受けた全員の得点情報からはじき出される数値なのです。
偏差値50はどのくらいのレベルか?
偏差値50の位置づけ
偏差値50を取ったとき自分がどのくらいの位置にいるかは、パーセンテージで知ることができます。偏差値50は最上位からの割合が50%のところに位置し、100人の受験者がいたとすれば順位は50位です。ちょうど真ん中ということになります。
ちなみに、偏差値65は最上位から6.68%。受験者を100人と仮定すれば順位は単純に考えると6.68位ということになります。偏差値40の場合は最上位から84.18%の割合で、100人いれば84.18位ということです。実際に6.68位や84.18位という小数点つきの順位はありませんが、考え方として覚えておきましょう。
偏差値50の具体的な大学
偏差値は、大学の難易度を示す数値としても用いられています。
偏差値50の大学は、数ある大学の中でちょうど真ん中あたりに位置するということ。
どのような大学があるのか、具体的に見てみましょう。
関東圏の私立大学ですと「日東駒専」と称される日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学が偏差値50程度の中堅大学として知られています。
関西圏の私立大学で「日東駒専」に匹敵するといわれているのが「産近甲龍」です。京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学の4校で、偏差値50レベルと考えて差し支えありません。
九州の私立大学では、九州産業大学、熊本学園大学、福岡工業大学が偏差値50レベルの大学として名を連ねています。
ただし、偏差値は学部によっても異なりますし、模試を実施する業者によっても算出のしかたが異なることもあります。
また、実際の大学受験においては、受験生の人数、その年の試験の難易度によっても結果が左右されることもあります。
偏差値を絶対的な数値としてとらえるのではなく、あくまでも自分の実力や大学のレベルを判断する参考数値であることを忘れないようにしましょう。
偏差値の考え方、偏差値50が具体的にどのくらいのレベルであるのかについてお伝えしました。
偏差値は、客観的に自分の実力を知る数値として活用することができます。
自分の模試の結果を見るとき、志望校を選ぶときの参考にしてください。
ただし、模試の偏差値が足りないから、それより上の大学に入れないというわけではありませんし、絶対の数値ではないことも忘れないようにしましょう。